ブスだって、恋をはじめる春が来た!!【映画『LOVE GOGO~愛情来了~』】
『ラブゴーゴー』(LOVE GOGO)チェン・ユーシュン
いつの頃からだろう。
無条件で人を好きになったり
後先考えずに必死になって頑張ったり
失敗を恐れずに突き進めなくなったのは。
いつの頃からだろう。
『大人』という言葉を盾にして
周りに合わせることばかり上手くなって
自分の気持ちや行動に
蓋をするようになったのは。
いつの頃からだろう。
ただなんとなく毎日が過ぎていくことを
当たり前のように受け入れるようになったのは。
いつの頃からだろう。
いつの頃からなんだろう。
こんな、つまらない人間になったのは。
私のように、ふと自分に哀しくなったことがある人は、この傑作映画を観て「泣き笑い」をすること間違いなし!
製作国:台湾/ 上映時間:113分
監督・脚本:チェン・ユーシュン
俳優:チェン・ジンシン/タン・ナ/リャオ・ホェイチェン/シー・イーナン
傑作とか言っておいてなんですが、
同監督の『熱帯魚』っていう映画も
最高に傑作です。
簡単なあらすじ
パン職人のブサイク男、アシェン(チェン・ジンシン)は、小学校で同級生だった憧れの美人リーファ(タン・ナ)に再会する。彼はテレビの素人のど自慢に出場して、彼女への思いを歌で伝えようと決意し、アパートのイケてない住人に歌のコーチを受けて猛練習する。一方、アパートには、ブスでデブのリリー(リャオ・ホェイチェン)もいる。彼女は食べてばかりの毎日。そんなある日、リリーはポケベルを偶然拾う。リリーはその男と会う日のために、ダイエットに励むのだが・・・。
台北に住む普通の人たちの普通の恋が始まる前の可笑しくて哀しい物語を、3つの視点から描くポップなラブストーリー?
レモンの感想
この映画に出てくるのは台北に住む普通の人々。
イケてないし輝く毎日を送っているわけじゃない。まずそこに激しく共感。
でも、そんな私たちだって
恋もするし、何かにもがいていたりする。
カッコ悪くたっていいじゃん。
笑われたっていいんじゃん。
美男美女じゃなくたって
相手に気持ちが伝わらなくたって
好きだから好き!という純粋な気持ちがあれば
世界はきっと、キラキラと回り始めるんだ!
イケてないのに、POPでカラフル
可笑しくて哀しくて、
でもやっぱり最後は笑っちゃう
監督の演出力の高さを感じる映画です。
ちょっとチラ見せ
イケてないアパートの愛すべき住人たち。
恋をすると女の子はキレイになるとか、ならないとか。実はリリー役を好演した彼女の本業はマネージャー。
感情の最大級は『泣き笑い』ってことを教えてくれる。
どん底の笑いは、いつだって最高に美しい。
おデブちゃんのリリーを演じたのは芸能マネージャのリャオ・ホェイチェン。
ブサイクパン職人アシェンを演じたのは助監督のチェン・ジンシン。
役のイメージに合った人を探したら素人だったとのこと。初演技とは思えない演技力。
プロの役者と素人を上手く融合して映画を作ったチェン監督は、やっぱり奇才だと思います。
この埋もれた名作のブルーレイ発売を熱望します!